Properties of force fields and EMGs in the primate arm induced by intraspinal microstimulation

  • Hiroaki Yaguchi (The University of Tokyo)
  • David Kowalski (Drexel University)
  • Tomohiko Takei (National Center of Neurology and Psychiatry)
  • Kazuhiko Seki (Center of Neurology and Psychiatry)

脊髄損傷患者の運動機能を回復させる手法として、脊髄内電気刺激が期待されている。しかし、この手法が霊長類の上肢の運動を誘発する目的で使用された例はない。この、脊髄内電気刺激によって意図した運動を誘発するためには、その刺激効果の特性を明らかにする必要がある。そこで本研究では、脊髄刺激効果の特性として、1)姿勢依存性、2)長期安定性、3)線形性について調べた。また、脊髄背側は感覚入力を受け、腹側は運動出力を行うというように、背側と腹側で機能が異なる。よって、刺激効果の特性は背側での刺激と腹側での刺激で異なる可能性がある。そのため、背側と腹側で上記の特性を比較した。 2頭のサル(TS, TE)の頸髄に12チャネルの微小電極アレイ(Microprobes社)を慢性的に留置した。サルTSには、脊髄背側での刺激を行うため、電極長3mmのアレイを使用し、サルTEには、腹側での刺激を行うため、電極長4mmのアレイを用いた。電極アレイのひとつのチャネルまたはふたつのチャネルより、パルス幅400ms、パルス間隔25ms、パルス数20の双極性電流刺激列を与えた。その刺激効果として、上肢の筋のEMG及び手首における力を計測した。4cmまたは8cm間隔の格子状にサルの手首を動かし、各格子点において脊髄刺激の効果を計測した。 脊髄の背側で刺激を行った場合、刺激効果は1)姿勢に依存し、2)長期安定性は低く、3)非線性が見られた。腹側で刺激を行った場合には、刺激効果は1)姿勢に依存し、2)長期安定性が高く、3)線形に加算された。



Last-modified: 2012-12-18 (火) 15:56:32