運動イメージによるTMS誘発電位の検討 -磁気共鳴機能画像(fMRI)、筋電図(EMG)、経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いた検討- The investigation of TMS evoked brain activity and MEPs during motor imagery; Simultaneous fMRI-EMG-TMS study
【背景】運動想像中はTMSによって誘発される運動誘発電位(MEP)が増大することが知られているが、その生理学的メカニズムは不明確のままである。【目的】TMS-fMRI-EMG同時計測で、運動想像中のTMS誘発MEP増大メカニズムを検討することである。【対象・方法】健常被験者22名。3テスラMRIと頭部コイルを用いて、『右および左母指掌側外転運動(R1、L1)』、『右および左小指外転運動(R5、L5)』の各運動を提示し、運動想像中および想像をしない時にTMS刺激を行った。両母指・小指外転筋にMRI専用の電極を装着し、左一次運動野(M1)に対するTMS(110%安静時運動域値)により生じるMEPを計測した。【結果】R1想像中はRt_APB、R5想像中はRt_ADMからのMEPは、他の条件に比べ有意に大きかった。運動想像中TMS誘発脳活動は左M1・S1、右小脳、楔部、楔前部に認め、想像の脳活動を除去すると左角回に有意な活動を認めた。 |