表面筋電図を用いた咀嚼・嚥下動作の加齢分析 Age analysis of deglutition and masticatory behavior using surface electromyography
近年、軟性食物を摂取する機会が増加している。そのため、咀嚼回数が減少し様々な健康問題が発生している。しかし、咀嚼には食物を細かくし消化吸収を助けるだけでなく、肥満防止や、言葉の発達、脳の活性化などいろいろな効果がある。また、現在の日本は高齢化社会が進み、年々高齢者が増加している。これより高齢者患者の病気に対する対応・対策が必要であると言える。嚥下に関する問題として、高齢者に多くみられる嚥下障害がある。本論文では、この咀嚼により得られる効果と嚥下障害に着目し、表面筋電図を用いて咀嚼・嚥下動作を加齢に重点を置き分析していく。そこで、計数された咀嚼回数と実際の咀嚼回数に誤差が生じない咀嚼・嚥下動作に関するシステムの開発を目標とする。また、これらのシステムを開発するため、様々な食物を用いた実験から得られた筋電図データより咀嚼間隔や咀嚼回数の計数を求め、電極貼付位置を検討し、嚥下筋群の筋電図解析を行った。その結果、咀嚼間隔では加齢による影響が見られず、咀嚼回数の計数では、回数の統制を行ったが、統制回数と同じ結果ではなかった。嚥下動作における統計解析では、嚥下の加齢に伴う低下を示すことができた。 |