操作力知覚に対する重力の影響

Influence of gravity on the perception of operating force

  • 坂尻 太司 (名古屋工業大学大学院工学研究科機能工学専攻)
  • 田中 由浩
  • 佐野 明人
  • Taiji Sakajiri (Naoya Institute of Technology)
  • Yoshihiro Tanaka
  • Akihito Sano

本研究では,操作感の知覚メカニズムを解明することで,ステアリング操作系に対する新たな設計因子を導出することを大きな目標としている.ステアリング操作は基本的に両手操作であり,しかも重力下での操作となる.一方の手は重力に従い,もう一方は重力に逆らう逆相運動を行うことにより,操舵という回転運動を行っている.このように,左右で異なる運動を行っているにもかかわらず,想起される操作感は一つである.このような対象に対して,これまでに左右独立構造のステアリングを独自開発し,左右の腕における操作特性と操作感の知覚現象を個別に解析してきた.この結果,ヒトは重力方向と操作方向の関係により,上肢運動制御を切り替えている可能性を見出した.本稿では,ステアリング操作における左右の腕の知覚特性について議論する.重力に従う操作と重力に逆らう操作について,操作力の知覚特性を調査するために心理物理実験を行った.実験の結果,両操作の間で操作力の感じ方に差異があることを明らかにした.



Last-modified: 2012-12-18 (火) 15:56:32