The role of error observation on dynamic motor imitation learning
背景:模倣はヒトが新しい動作を獲得するのに重要な役割を占めている。過去の研究では模倣の観察対象が正しいモデルのみを使用している。しかし、エラーは重要な情報を含んでいて、ヒトはこの情報を利用してエラーを避けられる可能性と考えられる。本研究の目的は模倣運動学習中のエラー観察効果を調べることとした。 方法:対象は20名健常者とした。被験者にピンチ動作の動画を観察しながら、8Nのピンチ動作を行った。エラー条件では半分の観察ピンチ動作を4Nと24Nの動作として、残る半分は8Nの動画とした。コントロール条件ではすべて観察ピンチ動作は8Nとした。被験者はピンチ動作をした直後、音声言語でフィードバックを受けた。条件前後で学習の効果を評価した。被験者は右左手それぞれ課題条件を行った。手と条件の順序はカウンターバランスをとった。評価方法としては、被験者が実際にピンチをした力発揮のピーク値と8N の差分を計測した。さらにこの差分を標準化にした:標準差分=条件後の差分/条件前の差分X 100%。 結果:エラー条件の標準差分(60.7%±37.7%)はコントロールの標準差分(94.8%±33.2%)より有意に低かった。 考察:標準差分は運動学習の効果を表し、値が低いほど効果がよいため、本研究の結果は模倣運動において、一部のエラーを入れたら運動学習効果を向上することが示唆された。エラーのこの効果は2つの要因と考えられる。まず、エラー条件では被験者は課題に関する正しい情報のみならず、間違い情報も得られるため、より多くの情報を獲得できた。次に、エラーの出現は被験者を運動学習により注意を向けされた 。 |